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2020.6.01 所属カテゴリ: 山日紙面で見る富士山 / 6月 /

河口・山中・本栖 湖上も“交通規制”

モーターボートなどに

 遊泳者や手こぎボート、釣り舟などを無謀なモーターボートやヨットから守る“湖上の交通規制”ともいうべき富士五湖水上安全条例が、きょう1日からスタートする。これはモーターボートなどの無謀運転で、事故が激増しているため、水泳客の多い山中湖、河口湖などに航行禁止区域や保安区域を設け、モーターボートなどが入れないようにする条例。

 規制は航行禁止区域と保安区域に分かれ、航行禁止区域に決まった河口湖の東電取水口と畳岩周辺の2カ所は1日から、モーターボートはいっさい乗り入れ禁止となる。また、保安区域は遊泳者の多い地区で山中湖4、河口湖4、本栖湖3の合計11カ所。いずれも岸から沖合2、3百メートル地点にブイを浮かべて区域を明確にしている。しかしこの区間には観光業者の遊覧船桟橋や施設があるため、これらについては通行を認めるという。保安区域の規制期間は、シーズンの7月1日から9月15日まである。

 条例には罰則規定も定められており、事故発生の際、救護しなかったボートの操縦者は3カ月以下の懲役または3万円以下の罰金とするほか、酒酔い操縦は2カ月以下の罰金である。

 県警外勤務の調べでは、富士五湖には現在、観光業者のモーターボートやヨットが377隻あり、このほか観光客が持ち込むモーターボートやヨットもうなぎ登りの状態。このためモーターボートの事故は年々増加する一方で、昨年は5件発生、3人が死亡、1人が行方不明、3人が負傷している。県警では新条例の施行で遊泳者もモーターボートの運転者も安心してレジャーを楽しめるだろうと期待している。

 “湖の交通規制”ともいわれる新条例は東京、茨城、栃木、神奈川、石川、滋賀に次いで全国で7番目である。 【当時の紙面から】

(1973年6月1日付 山梨日日新聞掲載)
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