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2022.11.17 所属カテゴリ: ふじさんクエスト / 気象 /

雪崩対策へ洞門増設計画

 山梨県が雪崩対策のために富士山有料道路(富士スバルライン)に設けている洞門を増設する計画。雪崩の危険性が高い9カ所に新設し、既存の洞門の4倍に当たる計12カ所にすることを想定。大雨や春先の高気温など近年の異常気象に伴い、雪崩の発生リスクが高まっているとみて対策を講じることに。早ければ2023年度から順次着工する予定で、完成には10年以上かかる見通し。

 県道路整備課によると、想定では4合目大沢駐車場と5合目駐車場の間に見られる沢に沿い、雪崩の流れを制御する「導流堤」とセットで、九つの洞門を新たに設けることを検討。過去に雪崩が起きた沢を中心に整備するという。洞門はコンクリート製で、導流堤は溶岩など現場の石材を活用して洞門より高い位置に造る。

 9カ所のうち、まずは雪崩に過去6回見舞われている苔桃橋を覆うように洞門を整備し、導流堤も併設する計画。本年度から設計業務を進めていて、2023年度以降に工事に取りかかる。その後、ほかの8カ所についても雪崩の発生回数などに基づいて優先順位を付け、順次整備していく。9カ所の総事業費は計100億円を超えると見込んでいる。

 県はこれまでに、4~5合目に三つの洞門を整備。大沢駐車場近くの沢には導流堤を設けた。県の最新調査で既存の洞門や導流堤を設けた場所以外にも、9カ所で安全対策が必要だと分かったという。

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