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2021.8.26 所属カテゴリ: ふじさんクエスト / 登山 /

2021富士登山者アンケート[1]

富士山登山鉄道構想

 山梨日日新聞は静岡新聞と合同で、山梨県が検討している富士山麓と5合目を結ぶ「富士山登山鉄道構想」の賛否などに関するアンケートを富士山の登山者200人に実施した。構想に「賛成」は38.5%、「反対」は28%で、賛否が割れた。賛成理由は交通量減少による環境保全や登山、観光の利便性向上が目立った。反対理由としては、環境破壊につながることへの懸念が多数を占めた。

 アンケート調査は、8月1~3日に山梨、静岡両県側の5合目登山口や登山道でそれぞれ100人を対象に実施。構想に賛成、反対を回答した人以外に「分からない」とした人が33.5%に上り、賛否を決めかねる様子もうかがえた。

 賛成の回答理由では、「車などの交通量が減り、環境保全につながる」と「観光や登山の利便性が良くなる」がいずれも44.2%で最多。次いで10.4%の人が「観光スポットとしてイメージが良くなる」と回答した。

 反対の回答理由では、「環境破壊につながる」が66.1%で最も多く、次いで「観光スポットとしてイメージが悪くなる」が19.6%だった。「その他」と回答した5.4%の人からは「本来は裾野から登るべきで、今以上に(富士山に)手を入れるべきではない」「必要性を感じない。バスで十分」といった意見があった。

 構想をめぐっては、山梨県が「最も優位性が高い」として富士山有料道路(富士スバルライン)上への次世代型路面電車(LRT)の敷設を検討。今年2月の有識者検討会で構想案を決めたが、富士吉田市をはじめとする地元自治体や観光団体は環境破壊や電気バスの高性能化などを理由に反対姿勢を示している。

 山梨日日新聞と静岡新聞による富士山の登山者への合同アンケートで、富士山登山鉄道構想の賛否や新型コロナウイルス対策、山梨と静岡の両県が検討する入山料義務化の是非、噴火への意識について聞いた。それぞれの結果を紹介する。(全5回)

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