1つ前のページに戻る

富士山有料道路・富士スバルライン

 富士山有料道路(富士スバルライン)は、山梨県南都留郡河口湖町(現在の富士河口湖町)船津[標高857 メートル]から料金所を経て富士山5合目[標高2305メートル]を結ぶ総延長29.52キロの2車線完全舗装道路。山梨県道707号富士河口湖富士線の一部。

 県営第1号の有料道路として、1961年9月19日着工。国内山岳道路の先駆けとして、2年半の歳月と工費17億円、延べ19万8500人、セメント1万3500トンをつぎこんで、1964年3月24日完成、同年4月1日に供用開始された。完工式は5合目付近の根雪が解けるのを待って、供用開始後の同年5月27日に行われた。愛称の「スバルライン」は全国から公募。開通を前にした同年3月23日、山梨県知事ら12人の愛称審査委員会によって、応募16万3937通の中から(4通)選ばれた。

 樹海を切り開いての道路開発は、環境保全の立場から論議を巻き起こした。富士山を舞台に多くの作品を残した作家新田次郎は沿道の荒廃ぶりを嘆き、保全を訴えた。

 富士山有料道路によって富士山の観光動態は大きく変化した。開通前の1963(昭和38)年夏には18万2000人だった富士山への観光客は、開通年の7、8月だけでも5合目までのバス、マイカー客が加わったことで、一気に52万人を突破した。この期間中、マイカー9万台、バス1万6000台、オートバイ1万4000台が料金所ゲートをくぐった。

 1987年、当時の建設省が選んだ「日本の道百選」に河口湖大橋有料道路とともに入選し、顕彰碑が設置された。その後、富士山有料道路を走る車両の排ガスによる樹木の立ち枯れが社会問題化し、県の立体駐車場計画への市民団体の反対運動なども絡み、1994から夏季のマイカー乗り入れ規制が始まった。

 1997年4月、河口湖大橋有料道路、八ケ岳公園有料道路とともに、県企業局から県道路公社に管理が移管された。また2005年6月6日には、料金徴収期限が切れ、翌7日より全国で初めて通行料を環境保全対策などに充てる維持管理有料道路になった。

 2015年9月15日から11月30日までの平日に限り、普通車、軽乗用車、軽車両など一部の車種において通行料が無料化された。国の地方創生交付金を利用しての事業化。2016年以降は実施されていない。

 駐車場は終点の5合目をはじめ、沿線の「剣丸尾駐車場(1合目下)」、「樹海台駐車場(2~3合目間)」、「大沢駐車場(4合目手前)」および「奥庭駐車場(5合目手前)」にある。

 なお、富士山有料道路自体は通年営業しているが、営業区間は天候や道路状況により異なる。特に冬季は積雪により全線通行は難しく、全線通行止めもしくは剣丸尾駐車場や大沢駐車場までの営業となる場合がほとんど。毎年、春の行楽シーズンに向け除雪作業を進め、例年3月下旬から4月下旬に全線営業可能となる。また、営業時間も概ね月により異なる。

 ところで富士山有料道路の料金所(ゲート)は開設当初、富士河口湖町船津の国道139号との交差点近く、旧山梨県立富士ビジターセンター(現在の富士山世界遺産センター)横にあったが、1986年1月に富士山頂寄り(南側)の現在地に約4.3キロ移動した。マイカーによる観光客の激増で同国道が激しい交通渋滞を起こすようになり、その解消を図るためであった。

 また、この道路の起点・終点については、終点は富士山5合目である。一方で起点は、富士急行線河口湖駅から西へ約200メートルの七軒町交差点で、起点から料金所までの約6キロは無料開放区間(一部生活道路)である。しかし、2005年の維持管理有料道路移行に伴い、「富士山有料道路」としての起点が料金所手前の胎内交差点[標高1050メートル]に変更され、総延長は24.1キロとなっている。「富士スバルライン」としての起点と総延長は従来通り。

営業時間

3月16日〜4月19日=9:00〜17:00
4月20日〜4月30日=6:00〜18:00
5月1日〜5月31日=3:00〜18:00
 (注)2023年5月1日〜5月31日=6:00〜18:00
6月1日〜6月30日=3:00〜20:00
7月1日〜9月30日=24時間
 (注) 2023年7月1日~7月13日=3:00〜20:00 
 (注) 2023年7月14日~9月10日=3:00〜18:00 
 (注) 2023年9月11日~9月30日=3:00〜20:00 
10月1日〜10月31日=3:00〜18:00
11月1日〜11月15日=4:30〜17:00
11月16日〜11月30日=9:00〜17:00
12月1日〜3月15日=9:00〜16:00
◆下り線(5合目→料金所)のゲートは上記営業終了時間の1時間後にクローズする。
 (注) 2023年7月1日~7月13日および9月11日~9月30日は、22:00にクローズ。
 (注) 2023年7月14日~9月10日は、20:00にクローズ。
◆天候や路面状況などにより、通行止めや営業区間・時間が変更される場合がある。

通行料金

普通車=2,100円
中型車=3,460円
大型車=4,780円
特大車=8,040円
軽自動車など=1,680円
軽車両など=200円
◆上記料金は全線往復料金。片道料金は往復料金の半額。
◆営業区間が「1合目下駐車場」までの場合は通行料金が上記と異なる。
◆障害者割引、回数券などもある。

広告