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2020.5.30 所属カテゴリ: ふじさんクエスト / その他 /

山梨県が開発、新魚の名は…

 山梨県がキングサーモンとニジマスを交配して開発した新魚「富士の介」。2017年11月、県内での養殖がスタート。

 「富士の介」は、食味が高く評価されている大型の高級魚・キングサーモンと、飼育しやすいニジマスの両方の長所を持っている。身がきめ細やかで脂の乗りが良いことが特徴。ふ化後約3年で、体長約70センチ、重さ約3キロに成長する。

 両者の良い点を取り入れた魚を生み出そうと、2002年度から予備研究が始まり、2007年度に養殖化に向け正式な研究に移行、交配に取り組んできた。2016年12月に水産庁から養殖の承認を受けた。

 県は2017年2月、新魚の名前を募集。全都道府県から3千を超える応募があり、「キングサーモンの血を受け継いでいることを連想させる」「山梨らしい」などの視点から絞り込んだ。キングサーモンの和名「マスノスケ」を踏まえ、「富士」から山梨がイメージできる点や、親しみやすいことなどから同年11月「富士の介」と命名した。

 県は県内の7養殖業者に受精卵約16万粒を提供。2018年11月には養殖状況を公開し、1年間で体長約30センチ、重さ約500グラムに育つ。同年2月には「富士の介」の試食会が開かれ、薄造りやすし、ソテー、マリネなどの料理が並んだ。

 2019年2月には都内で「富士の介」をPRするイベント開かれ、ソムリエの田崎真也さんが監修した料理『富士の介のミ・キュイ(半生焼き)』などとワインを提供し、山梨の新しい「味」を紹介。県農政部の担当者が富士の介の開発経緯、特徴などを説明した。3月には甲府で試食会が開かれ、刺身や焼き魚、すしなど5品目を提供した。6月の「食育推進全国大会inやまなし」では、タレントの「さかなクン」が「富士の介」の応援団長に就任した。

 2019年12月から山梨県都留市が、ふるさと納税の返礼品に「富士の介」を加えた。2万円の寄付で、真空パックに入った切り身5パック(計約550グラム)を選ぶことができる。2020年2月には、県が「富士の介」のロゴマークを発表。「富士の介」の文字をちりばめたデザイン。「富士」は富士山の形、「の」は太陽、「介」は太陽と富士山の下に、2匹の魚を配置して表現。ロゴマークはデザインの比率を変えないなどの使用規定を順守すれば、誰でも無料で使用可能。県花き農水産課のホームページで画像データを取得できる。

 南アルプス市下今諏訪の「燻製屋 響」が、「富士の介」の薫製を作り、2020年6月1日から販売を始める。薫製は「自家製秘伝ソミュール液」と「爽やかゆずの風」の2種類。「ソミュール液」は和風に味つけした塩ベースのたれでつけ込み、味付けしている。「ゆずの風」は数種類のハーブを使い、ゆずの果汁を加え、さっぱりとした後味が特徴という。

 体長50~60センチ、重さ2~3キロに育てば出荷可能になる。本格的な流通を前に、2019年10月に甲府市内で出荷式を開催、各養殖業者から飲食店や宿泊施設のほか、甲府市地方卸売市場、東京・豊洲市場へ順次出荷が始まる。2020年には20トンの出荷を見込み、将来的には年100トンの流通を予定。

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