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2018.9.14 所属カテゴリ: 山日紙面で見る富士山 / 9月 /

5合目にバイオトイレを設置 あすから稼働 佐藤小屋隣へ

 富士山五合目の佐藤小屋は、富士山の環境保全に取り組むNPO法人「富士山クラブ」が2年間行った環境バイオトイレの実証実験の成果を受けて、杉チップを利用したバイオトイレを同小屋隣に設置した。13日に試運転を始め、15日から本稼働させる。

 同小屋のバイオトイレは微生物がし尿を分解する自己完結の循環型水洗トイレ。木造で男女兼用(洋式)2基と男性用1基を設置した。1日の処理能力は最大500人。チップ制で1回200円程度の協力を求める。

 富士山クラブは、2000年と01年の夏山シーズン中約3カ月間、同小屋近くにバイオトイレを仮設して実証実験を行った。同クラブによると、1年目は利用者数が約3390人で、チップ制による協力金は81158円。2年目は約4000人で、協力金は118038円だった。実験中いくつかトラブルが発生したものの改良を重ね、トイレ機能の信頼性は向上したという。

 佐藤小屋は、結果を踏まえ「富士山の厳しい環境にも耐えうる」と判断、恒久的な設置を決めた。トイレ設置の手続きは、同クラブがアドバイザーとして関係省庁へ申請などを行い、同小屋の代表名で設置登録した。

 15日は稼働開始セレモニーを行い、テープカットなどで完成を祝う。 【当時の紙面から】

(2002年9月14日付 山梨日日新聞掲載)
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