1つ前のページに戻る

2020.12.15 所属カテゴリ: 富士山味グルメ / 地域グルメ /

水掛け菜

 山梨県・富士北麓地域の年の瀬の風物詩。明治時代の中期に、都留市の農家が、富士山からしみ出る湧水が冬も凍らないことに着目し、水を掛け流して菜を栽培する方法を考案。現在は、富士山の湧水の量が豊富な同市夏狩、十日市場地域で栽培が盛ん。一般には水菜として知られているが栽培の過程で豊富な水を引くことから「水掛け菜」と呼ばれる。

 水掛け菜は、稲刈り後の水田を耕し、畝(うね)を作って種をまき、清水を流して育てている。同地域を流れる清水は、約60年前の雪や雨が湧き出てくると言われ、温度が13度前後と一定で、水量も豊富。「十日市場・夏狩湧水群」として、環境省が選定する「平成の名水百選」にも選ばれている。

 水の中で栽培することで、葉や茎などが凍らず青々とし、あくが少なく、クセがないのが特徴で、ひと雪降るごとに甘みが増すという。ビタミンやミネラル、食物繊維の豊富な水掛け菜は、冬場の貴重な青野菜として地域に定着している。

 収穫は12月末から3月までだが、同地域では、水掛け菜を入れた雑煮が正月料理の定番であるため、年末年始にかけて出荷のピークを迎える。シャキシャキとした歯触りを残してゆでたお浸しや煮浸し、胡麻和え、炒めものなど、多くの料理に使われる。また、湯盛りうどんは、どんぶりにゆでたうどんを盛り、ネギやショウガなど好みの薬味を入れ、しょうゆで味付けしただけのシンプルな料理。水掛け菜でビタミンを補給し、熱々のうどんで体が温まるので、地元では風邪防止の料理として人気。

 静岡県側でも、御殿場市や小山町などで稲の裏作として栽培されている。

広告