三島由紀夫と富士
しかし三島と富士のかかわりは深いとはいえない。作品に富士山が出てくるケースも少なく、34歳の時に発表した長編小説「鏡子の家」に取り上げられたくらいである。とはいえ、この作品では山梨側から見る「富士山」と眼下に広がる「樹海」が重要な場面で登場。富士山については「これだけ名高い山がこんなお誂え向きの姿で窓に浮んでいると、何だか贋物のような気がする」と記述している。
また晩年、自ら創設した「楯の会」の学生を率いて、陸上自衛隊富士学校(静岡県小山町)に体験入隊し、その時の様子をエッセーなどに残している。
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