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2018.8.31 所属カテゴリ: ふじさんクエスト / 登山 /

2018富士登山者アンケート[1]<文化的景観保全>

 山梨日日新聞と静岡新聞は富士山臨時支局開設に合わせ、世界文化遺産登録から5年を迎えた富士山の景観などに関するアンケートを登山者200人に行った。アンケートは7月31日から8月3日にかけて、山梨、静岡両県の5合目などで実施。各県100人、計200人から回答を得た。

 文化的景観の保全に必要な対策(複数回答)について「屋外広告物の色や大きさなど規制強化」が最多の46.5%に上り、さらなる抑制を求める声が多いことが分かった。

 世界遺産登録を巡っては、審査した国際記念物遺跡会議(イコモス)が登録前の勧告で、忍野八海や富士五湖などの構成資産周辺について、開発の抑制や景観への配慮を求めた経緯がある。

 「屋外広告物の色や大きさなど規制強化」は4割超に上った。県は2015年、屋外広告物条例で色や大きさを制限する景観保全型広告規制地区に、富士北麓地域の幹線道路沿いを追加。明るさや鮮やかさなどを抑えた看板に付け替える店が増えているが、「周辺にはまだ派手で目立つ看板が多い」(神奈川県小田原市の53歳女性)との指摘があった。

 次いで「開発地域の制限」が44.5%だった。富士山麓での大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の開発抑制などが議論されたことに関し、「富士山の眺望を損ねる開発は厳しく規制するべきだ」(金沢市の43歳男性)とする声があった。

 「歴史的建造物への補助制度」は44.0%に上った。富士講信者を受け入れてきた御師住宅など建物維持への支援を、多くの人が求めていることが分かった。

 このほか、「道路の植樹帯のデザイン統一」が20.5%、「電柱やガードレールの撤去」が20.0%だった。「住民への啓発活動」は13.0%、「住宅や民間施設への規制」は6.0%だった。
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