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2019.9.01 所属カテゴリ: 富士山噴火に備える / 防災キーワード /

噴火前兆の観測体制拡充

 山梨県富士山科学研究所(富士吉田市)が富士山噴火に備え、リアルタイムに富士山の地震や地殻変動を把握するシステムを導入し、噴火の前兆を捉える観測体制を強化。防災科学技術研究所(防災科研、茨城県つくば市)などが富士山周辺に設置している観測計からデータ提供を受け、常時モニターに表示。火山活動の変化をいち早く把握し、登山者や地元住民への速やかな情報提供に努める。

 富士山には防災科研が7カ所(富士山科学研究所との共同設置も含む)、東京大地震研究所が9カ所にそれぞれ観測計を設置。地震や傾斜の変化のほか、空気の振動、気圧に影響する雨量、温度などを計測している。

 システムは、2機関の観測データを集約し、研究所内にあるモニターにリアルタイムに表示する仕組み。データはサーバーに蓄積され、時間をさかのぼって確認することもできる。

 御嶽山(長野、岐阜県)の噴火では約11分前に火山性微動を検知し、7分前には山頂付近の傾斜の変化が確認されたが、登山者に情報が届かなかった。富士山科学研究所は火山活動を予想していち早く対策を講じるために、地殻の動きを瞬時に、連続的に観測することが必要と考え、整備を進めた。

 同研究所では研究員らが無線機を携帯して現地調査などに当たっている。
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