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登山計画書で万一に備え

 多くの登山者が犠牲となった2014年9月の御嶽山(長野、岐阜県)の噴火を受け、登山計画書の重要性があらためてクローズアップされている。登山計画書の作成・提出は、登山者自身が山域に対する理解を深め、安全な登山計画を練ることにつながり、有事の際には迅速な救助対応の可能性が高まることで、必要性を認識する声が相次いでいる。

 登山計画書には、登山者の氏名や住所、連絡先、人数、登山する山域やルート、登山日程(行動予定)などを記入。用紙は山梨県警のホームページや富士登山オフィシャルサイトなどからダウンロードできる。富士山・山梨県側の登山道を利用する場合は、吉田口登山道1合目手前の馬返しにあるポストや5合目総合管理センター、6合目富士山安全指導センターのほか、電子メール(山梨県観光資源課Eメール:tozanpost@pref.yamanashi.lg.jp)やFAX(050-3066-0107)でも受け付ける。

 また2015年には、インターネットで登山計画書などが提出できるサイト「山と自然ネットワーク『コンパス』」の情報閲覧について、県と県警、サイトを運営する日本山岳ガイド協会が協定を結び、利用を呼び掛けている。同サイトでは必要事項を事前入力することにより、下山日程を過ぎても下山連絡をサイト上で行わないと、本人や登録した緊急連絡先にメールが届くシステムとなっている。

 同時に、家族や周囲の人に富士山に登ることを伝えておくことも必要。

 なお、山梨県では2018年10月20日から、富士山や八ケ岳、南アルプスの3区域を対象に、登山計画書の提出が努力義務となっている。遭難事故の続発を背景に登山者の安全確保につなげるのが目的で、2017年10月に制定した『山梨県登山の安全の確保に関する条例』に基づく対応。さらに3区域のうち、富士山8合目以上など登山に伴う危険性が高いエリアを「重点区域」に指定、2019年の厳冬期(12月~翌年3月)から登山計画書の提出が義務となる。

 県警によると、2017年には県内で161件の山岳遭難が発生し、遭難者は180人。遭難件数、遭難者ともに統計開始以降最多。また、2018年は145件(過去3番目)175人(過去2番目)で、遭難者のうち、登山計画書が未提出だった人は76.8%に上った。さらに、2019年上半期の発生件数は56件、遭難者は65人で、いずれも統計開始以降最多だった2017年同期を上回った。

 県警などは、万全の備えと登山計画書の提出を必ず心がけてほしい、と呼び掛けている。

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