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水筒類

●水分を複数の容器で

 富士山などではのどが乾くたびに山小屋でペットボトル飲料を買えば、事足りるかもしれない。しかし「高所での観光」ではなく、登山をしているのだという自覚があれば、必要な飲料水は自分で持ちたい。

 登山では飲料水の携行は極めて重要。脱水症状を防ぐだけでなく、ザックに飲料水が十分に入っていると、不思議と「歩こう」という気持ちになる。

 日帰り登山では、1日に少なくとも2リットルを携行したい。そのためには飲料水を運ぶための容器が欠かせない。予備の容器も持てば冷たい沢の水を調達する、という楽しみもある。

 容器には水筒、樹脂製ボトル、金属製ボトル、折りたためるソフトタンクなどさまざまな種類がある。ペットボトルも丈夫で使い勝手がよい。冷たい飲み物や熱い物なら水筒を、常温でよいなら樹脂製ボトルやペットボトルを、ザックの隙間に詰め込むのならソフトタンクをと、時と場合によって使い分ける。

 大切なのは500ミリリットルや1リットルなど小さめの容器を複数持ち運ぶことだ。そうすれば、万が一壊れて水が漏れても、すべての飲料水を失うことはない。拾えない場所に落としたときのためにキャップの予備も持ちたい。スポーツドリンクばかり持ち歩くのも厳禁。けがをしたときには、傷口を洗うために水も必要になるからだ。

 登山は危機管理のスポーツ。飲料水の持ち運び方を見るだけで、熟練度が分かると言えるかもしれない。
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