1つ前のページに戻る

富士山世界文化遺産・構成資産『冨士浅間神社』

 静岡県駿東郡小山町須走126。主祭神は木花開耶姫命、大己貴命、彦火火出見命。須走口登山道の起点となった神社。802(延暦21)年の富士山噴火の時、この地で鎮火の祭事を行ったのが起こりとされ、本殿は、噴火の鎮火祭事が行われた跡地に807(大同2)年に造営されたと伝えられる。1707年の宝永噴火で崩壊したが、18年に再建された。

 境内はスギの巨木などに覆われ、樹齢約500年、高さ約25メートルのハルニレの巨木は、県指定天然記念物となっている。本殿再建時から鳥居、参道、楼門が一列に建ち、その奥に拝殿、幣殿、本殿が建ち並ぶ配置となったとされる。再建後も改修などは行われたとみられるが、2009年に本殿を修理した際、再建時の部材の一部が現代まで継続使用されていることが分かった。

 『妙法寺記』に記された、1500年の須走口登山道についての記録から、富士山東麓の信仰登山活動に大きな意味を持っていたと考えられている。16世紀には支配者である武田氏の保護も受けていて、山頂部の散銭取得権の一部も得ていたとされる。

 18世紀以降は多くの富士講信者が立ち寄るように。20世紀前半を中心に、多くの信者が登拝回数33回を迎えたことを記念して碑を建て、現在も、登山道に続く参道の両側におよそ80基が残っている。

 夏山シーズンには、富士登山の安全祈願をする登山客でにぎわう。JR御殿場駅からバスで20分。
広告