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富士山世界文化遺産・構成資産『山中湖』

 山梨県山中湖村。富士講信者が水行などを行った巡礼地の一つ。800年の噴火による溶岩流で、宇津湖が山中湖と古忍野湖に分断され、古忍野湖は干上がり山中湖だけが残ったとされる。夏場は避暑地としてにぎわう一方、厳寒期には全面氷結することもあり、季節ごとにさまざまな表情を見せる湖だ。

 標高は981メートル。富士五湖の中では最も高い場所にある。標高だけでなく、面積(6.78平方キロ)も富士五湖の中で最大だが、水深は13.3メートルで最も浅い。

 こうした環境で1956年に発見されたのが、後に県指定天然記念物となった「フジマリモ」。北海道・阿寒湖に生息するマリモの変種とされ、「マリモ生息の南限」の湖となった。この後は絶滅が心配されていたが昨年、都内の男性が小学生のころに採ったフジマリモを山中湖村に贈り、56年ぶりに里帰りするという明るい話題があった。

 絵はがきの題材にもなる景勝地で芸術作品ともゆかりが深い。湖畔からは富士山頂に夕日が沈む「ダイヤモンド富士」が見られ、撮影地としても人気が高い。
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