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富士山世界文化遺産・構成資産『忍野八海・湧池』

 山梨県忍野村。八海5番目の霊場で、1日当たり約840万リットルの湧水量は八つの池の中で最も多いとされている。かつては地元で飲料水やかんがい用水として利用されていた。

 伝説では、富士山が噴火した時、木花開耶姫命が水を求める人々のために溶岩の中から水を湧き出させ、池になったと言い伝えられている。

 今でも毎年5月2~4日には、木花開耶姫命の祭りが行われており、みこしや出店が出てにぎわう。

 八大竜王の一体、徳叉迦竜王が祭られている。池のほとりの石碑には、こんこんと湧く水は龍神の守りで未来永劫変わらず流れ続けるという意味の「いまもなほ/はく池水に/守神の/すえの世かけて/かはらぬぞしる」という和歌が刻まれている。

 ほかの池と同様に富士山を目指す道者にとっては、潔斎の場だった。
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