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富士山世界文化遺産・構成資産『忍野八海・菖蒲池』

 山梨県忍野村。細長くのびる沼状の池で、面積は281平方メートル。名前の由来になっているショウブが周囲に生え、夏には1メートル以上に成長し、色鮮やかな花を付ける。奥には八海菖蒲池公園があり、地域住民や観光客らの憩いの場となっている。

 昔、近くに住む若い男が肺病にかかり、妻が池の水で身を清めて祈願し、「池のショウブを夫の体に巻けば病魔が退散する」との神のお告げに従ったところ、回復したとの伝説がある。また悪疫が流行した際、村人らが池周辺のショウブを体に巻き付ける風習があったといわれる。

 池ではかつて、旧暦の1月14日に農作物の収穫を占う神事「筒がゆ」が行われ、忍草地区で現在も続いている。八海巡り第八霊場で、優鉢羅竜王がまつられている。

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