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富士山世界文化遺産・構成資産『白糸ノ滝』

 静岡県富士宮市。高さ約20メートル、横150メートルにわたる湾曲した崖から富士山の湧水が流れ落ちてできた滝。数百の絹糸が垂れるように流れるため名付けられた。

 富士講の開祖といわれる長谷川角行が人穴での修行と合わせて、水行をしたとされ、富士講信者を中心に巡礼・修行の場となった。滝の上に「お鬢水(びんすい)」と呼ばれる水が湧き出る岩窟があり、富士講の霊場の一つに数えられている。

 富士山麓に降った雨や雪解け水は上部の新富士火山層を透過し、水を通さない古富士火山層との境を流れて下る。両層の断面が崖となって露出しており、境目から水が湧き出るのが分かる。

 古くから景勝地として知られ、国の名勝、天然記念物に指定されているだけでなく、日本の滝百選にも選定された。1日当たり約15.6万トンの湧水量があり、崖を浸食し続けていると考えられている。

 富士山世界文化遺産登録に向けた整備で、滝つぼへの通行は12月まで規制されている。
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