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富士山の開山期間

 富士山における開山期間(各登山道の開通期間)は例年、山梨、静岡両県とも7月1日から9月第1日曜日までとし、翌日から登山道を閉鎖していた。しかし近年、登山道閉鎖後も登山者が後を絶たなかった。

 そこで環境省が2013年、9月の入山者数を初めて調べたところ、山梨県側の吉田口登山道で約2万1000人(1日平均約700人)が登山し、一部山小屋は9月下旬まで営業。地元からは、実態に合わせた登山道の開放を求める意見が出ていた。

 これを受け2014年シーズン、山梨県は吉田口登山道の開山期間を、7月1日から9月14日に設定。期間中は24時間体制で登山者から原則1000円の入山料(富士山保全協力金)を任意で徴収した。

 一方、静岡県は3登山道(富士宮口、須走口、御殿場口)とも開山期間を、7月10日から9月10日に設定。山梨県側と期間にズレが生じた。このため、山頂トイレの開設期間(静岡県側の開山期間と同じため、吉田口登山道だけが登山可能な期間に使用不可)や入山料の徴収期間が異なる、などの問題が生じた。

 開山期間については、両県で統一へ向けての検討を行っているが、伝統を尊重する山梨県側と、山体への負荷を考慮する静岡県側との間で調整は難航。一方で環境省が2015年12月、閉山日だけでも合わせるよう両県に要請。山梨県に対して「期間が短い静岡側に合わせるのが現実的」と変更を求めた。山梨県は国の要請や登山者の安全性を重視したほか、地元関係者からおおむね理解が得られたため、閉山日を9月10日に統一することを決めた。開山日については山梨県側は「7月1日の開山が長年の伝統」、静岡県側は「雪解けまでは開山できない」などと関係者の考えに隔たりは大きく、議論は平行線をたどっていて、 開山期間統一に向けた両県の調整は、長期的な課題になっている。

 現在の開山期間は、山梨県側が7月1日から9月10日、静岡県側が7月10日から9月10日。なお、いずれの開山期間も、天候や残雪などの状況により、変更になる場合がある。それまでは各登山道は冬季閉鎖となる。

 2019年の吉田口登山道については開山前、山頂付近で神社の石積みが崩れ、登山道をふさいでいる状況が確認された。山梨県は復旧工事のため7月1日の開山後も、8合5勺(3450メートル)-山頂間で通行規制(通行止め)を行っていたが、7月9日15:00に通行規制を解除する。(7月8日発表)

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