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2003.3.14 所属カテゴリ: ふじさんクエスト / 自然 /

樹海の魅力をネイチャーガイドが案内

 自然の宝庫である青木ケ原樹海の魅力を伝えるため、山梨県富士河口湖町が公認する樹海の案内人「ネイチャーガイド」およびガイドによるエコツアー。動植物の生態系など樹海内の自然や名所、危険な場所などを解説しながら案内する。

 富士山や樹海など豊かな自然に囲まれた富士北ろく地域は2004年、環境省からエコツーリズム普及のモデル事業実施地区に選定された。中でも広さ約40平方キロを誇る樹海は、多くの動植物のほか、日本最大の溶岩上原生林や樹木を溶岩がのみ込んでできた溶岩樹型など世界的に珍しい自然の姿に触れることができる。

 近年、自然志向の高まりを背景に樹海を探索する観光客が増加。それに伴って整備された遊歩道以外を歩き、樹木に栄養源の水を与えるコケや表土が踏み荒らされるケースが目立ってきた。そこで、自然環境にできるだけ負荷をかけずに樹海の魅力を楽しむために、訪れる人に樹海の正しい歩き方や正確な情報を伝えながら案内をする、町公認のネイチャーガイド制度を2004年に創設した。

 ネイチャーガイド認定に当たっては、町が開催する養成講座と認定試験を受け、合格すると公認される。2004年1月に第1期ガイド養成講座をスタート。3月に認定試験を行い28人が合格、4月から活動を始めた。2005年4月には、規模や活動エリアの拡充を見込み、ネイチャーガイド協議会を設立した。創設から3年で、約90名のネイチャーガイドが誕生。その後は更新研修会が毎年開かれ、研修会を受講すると翌年度のネイチャーガイドとして引き続き公認される。またネイチャーガイドは同町西湖にある西湖コウモリ穴案内所を拠点に交代で常駐している。

 ネイチャーガイドツアー開始にあたり、町は2004年6月、富士山青木ケ原樹海等エコツアーガイドライン推進協議会を設置し、独自のガイドラインを作成、樹海の観光活用と環境保全の両立を図っている。ガイドラインには、青木ケ原樹海など自然環境の保全および適正な利用を行うための、事業者・ガイド向け、およびツアー参加者向けに、それぞれが遵守すべき事項、ルールが明文化されている。具体的には、ツアー1団体あたりの参加人数の上限やガイドの数をはじめ、安全対策、ツアー参加者の禁止行為などが細かく盛り込まれている。

 ネイチャーガイドツアーは、西湖周遊バスが「西湖コウモリ穴」停留所に到着するのに合わせて出発する「定時ガイドツアー」(西湖コウモリ穴周辺・1時間コース)と、事前予約により自由なコースや時間を組むことができる「予約ガイドツアー」がある。概ね10人のツアー参加者にガイド1人が付き、料金は参加者1人1時間につき500円。(コウモリ穴入洞のコースでは別途入洞料が必要)

 ネイチャーガイドツアーの予約・申し込み、問い合わせは、西湖ネイチャーセンター、【電話】0555(82)3111。
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