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2018.7.20 所属カテゴリ: 山日紙面で見る富士山 / 7月 /

富士山大荒れ 登山客6000人が立ち往生 山頂風速47メートル記録

 7月18日夜から19日にかけて富士山は大荒れに荒れ、19日朝6時には山頂で平均風速47メートルを記録、このため6000人の登山者はずぶぬれになって山で立ち往生、富士吉田署も登山中止警告を出すほどの危険状態だったが、朝をまって登山者たちは逃げるように下山し事故はなかった。

 19日は日曜日なので18日夜は京浜方面から富士山への登山者が河口湖口、吉田口にどっと押しよせた。富士急行だけで同夜は臨時バス70台(4500人)貸切りバス20台(1000人)を5合目まで運んだ。ところが富士山は18日朝から強風と雨に襲われ、頂上で同日午前11時には平均風速39メートルも吹いた。この風は西北西で山頂から吉田口登山道にも吹きおろしていた。

 登山者6000人はほとんどがスバルラインを通って19日午前0時ごろ5合目に到着、それから山頂をめざしたが、そのころから5合目も霧は深くなり、小雨もまじって風も吹き出した。

 富士吉田署では19日午前3時半ごろ5合目以上は危険だから登山をみあわせるようにという警告を出し、富士急行にも登山者を上に運ばないよう指示した。富士急行ではこの指示で臨時バス30台を増発し、下山の輸送を開始し、ジープでパトロールをしながら正午までに5合目から南都留郡河口湖町へ約4500人を下山させた。

 19日昼はこの富士山から逃げてきた登山者たちが河口湖畔船津のタタミ岩でぬれた服をかわかしたり、はんごうで炊事をしたりしてキャンプ場のようなにぎわいだった。 【当時の紙面から】

(1964年7月20日付 山梨日日新聞掲載)
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