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2019.5.27 所属カテゴリ: 山日紙面で見る富士山 / 5月 /

富士山を世界遺産候補地に 要望書3庁へ提出 山梨、静岡の自然保護団体

 山梨、静岡両県の自然保護グループで組織する「富士山を世界遺産とする連絡協議会」(山梨県代表・内藤成雄県文化協会連合会長、静岡県代表・杉山恵一県自然保護協会長)は26日、環境庁、林野庁、文化庁の3庁に世界遺産条約に登録する1993年度の自然遺産候補地として富士山を選定するよう要望した。

 両県が連携して陳情するのは初めてで、環境庁では杉山・静岡県代表らが自然保護局計画課を訪れ、要望書を手渡した。要望書は、富士山は(1)特色ある地形と多様で比類ない景観をもつ(2)多様で豊かな生物相をもつ(3)日本人の心情、文化と深くかかわっている(4)富士山の自然を後世に、は国民的要望-としている。

 環境庁は要望に対して「今は2カ所を推薦している段階だ。富士山の件については関係する省庁と相談したうえで検討していきたい」とした。

 この日の陳情には山梨県内のメンバー2人が参加。連絡協議会の山梨県の事務局長を務める中川雄三さんは「5合目の駐車場問題で富士山に対する関心が高まっている。既に地元市町村には協力を要請したが、近く県にも協力を求め運動を盛り上げていきたい」と話している。

 世界遺産条約は72年のユネスコ総会で採択され、今年1月現在で128カ国が加盟している。日本は昨年、批准。屋久島(鹿児島県)、白神山ブナ原生林(青森、秋田県)を候補地として世界遺産委員会に推薦している。 【当時の紙面から】

(1993年5月27日付 山梨日日新聞掲載)
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