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2018.3.01 所属カテゴリ: 山日紙面で見る富士山 / 3月 /

ユニーク“ワカサギ船”進水 河口湖 釣りの穴場“回避” 冬季観光の目玉に

 河口湖にワカサギを型どった釣り船がお目見えした。河口湖の将来を語り合うため、町内の旅館、ガソリンスタンド、商店主ら11人でつくっている「ブランデー会」(井出会長)が「河口湖の冬季観光のセールスポイントに」と造ったものである。

 富士五湖のワカサギ釣りは、かつては河口湖が氷上穴釣りのメッカだったが、山中湖、精進湖に“お株”をとられ、冬季の観光対策が悩みとなっていた。同会は「なんとか冬の湖に目玉を…」と月一回の会合で、愛らしい大きな目玉をしたワカサギ船を考案、製作費800万円で神奈川県小田原市の造船業者に発注していた。

 27日朝、トレーラーに積まれて船津浜に到着したワカサギ船は、井出会長ら数人が出迎え、早速美しいライトブルーの船体を湖面に浮かべた。ワカサギ船は強化プラスチック製で長さ12メートル、幅3メートルの12人乗りの双胴船。頭部には大きな目玉をつけて口をとがらせ、しっぽ、背びれとともにユニークさを強調している。

 内部には長さ7メートル、幅2メートルの船室があり、中央に縦50センチ、横3メートルの釣り穴が設けられている。前部に操だ室、後部にトイレと乗降口、全部のたなには魚群探知機があり、回遊するワカサギなどを追いかけることができる。また、ボトルケース、勝手場もあり、釣った魚をその場で「一杯やりながら賞味」といった趣向もできる。

 ワカサギ船は、船津の富士レークホテル船着き場を基地にする。運営・管理は同ホテルで行い、安い料金でゆっくり釣りを楽しんでもらう方針。既に船舶検査も終えており、上旬には運行を始める。冬のワカサギ釣りを中心にするが、ブラックバス、コイ、ヘラブナなど四季を通して利用する。同船はひき船のモーターボートでアナ場を“回遊”する。 【当時の紙面から】

(1981年3月1日付 山梨日日新聞掲載)
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