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2018.10.21 所属カテゴリ: 山日紙面で見る富士山 / 10月 /

富士のふもとに「辻が花」 一竹記念館が完成 河口湖 28日から一般公開

 「一竹辻が花」と呼ばれる独特の技法で知られる染色工芸家で河口湖町特別町民の久保田一竹さんが同町河口に建築を進めていた「久保田一竹記念館」が完成し26日、オープニングレセプションを開く。一般公開は28日から。久保田さんは5年ほど前から富士山に魅せられ、富士をテーマにした作品を手がけてきた。記念館にはこれらの作品をはじめ40点程度を展示。今後、創作などの活動拠点をここに置く意向だ。

 記念館は富士山を臨む湖北岸の小高い場所。ヒノキの大木16本を使って組み合わせたピラミッド形で、高さは約10メートル、ピラミッドの底辺は約350平方メートルになる。富士山をテーマにした作品は8点あるが、すべてを展示する。タイトルは「穏」「御」などで、すべてオンと読む。19日に完成したばかりの新作もある。このほか四季をテーマにした連作や、くし、まき絵などのコレクションを紹介する。

 庭は天然の松を生かしながらフジザクラやモミジを植樹。松の葉とモミジの赤の美しいコントラストを想定して秋のオープンを選んだという。

 「日本の文化を世界の人に「知ってほしい。ここは世界の人にも胸を張れる場所。若い文化人を育て、交流と養成の場にしていきたい。オープン後はここに骨を埋めるつもりだ」と話している。

 久保田さんは、これまで取材や作品を製作する中で頻繁に富士北ろくを訪れ、地元の人たちとも交流が生まれていた。1992年7月には町立河口湖美術館で展覧会を開いた。

 レセプションには高円宮夫妻のほか天野知事、黒柳徹子さん、デザイナーのピエール・カルダンさんなどが出席。27日午前11時-午後4時は開館記念として入場無料になる。  【当時の紙面から】

(1994年10月21日付 山梨日日新聞掲載)
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