2021.2.11

富士山鉄道、国がチーム

知事表明 検討会、構想を決定

 富士山の山梨県側の麓と5合目を結ぶ「富士山登山鉄道構想」を巡り、長崎幸太郎知事は8日、国土交通省など関係省庁による国のプロジェクトチーム(PT)が近く新設される見通しになったと明らかにした。県が設置した構想検討会は同日、東京都内で総会を開き、富士山有料道路(富士スバルライン)上への次世代型路面電車(LRT)の敷設が「最も優位性が高い」とする構想を決めた。

 長崎知事は総会後、報道陣の取材に応じ、PTについて「構想実現にあたり、関係省庁に相談できる器をつくっていただけるのではないか」と期待感を示した。静岡県とも連携を図ると述べた。

 総会には、リモート参加も含めて理事や委員約20人が出席。昨年末の検討会理事会で出された意見などを踏まえて県が作成した構想を全会一致で了承した。

 構想では、スバルライン上に架線を用いないLRTを約25~28キロ敷設し、緊急車両など以外の通行を規制するとした。整備費は計約1400億円だが、往復料金を1万円と設定した場合は年間約300万人の利用があると試算し、「開業早期から黒字化が見込める」とした。民間主体の運営を想定している。

 課題としては、官民の役割分担や事業の枠組み、厳冬期の制動性能の検証、噴火時の危機管理などを列挙。県は今後はこうした課題の解決に向け、新たな検討組織を設けて議論を深める方針だ。並行して静岡県側を含めた地元市町村や関係団体などに構想を説明し、理解を求める。

 総会では、理事や委員からは「(売店が並ぶ景観など)5合目の在り方の問題を抜きにした鉄道構想はあり得ない。今後検討してほしい」などの意見があった。鉄道会社代表は「最大の技術的な課題は(車両を)安全に止めるということ。分科会などを設け、課題を議論してほしい」と求めた。長崎知事は総会で、5合目以上や富士五湖などの周辺地域の在り方も含めて議論を進める意向を示した。

(2021年2月9日付 山梨日日新聞掲載)

広告
月別
年別