2021.2.13

富士吉田市長、登山鉄道に反対

「必要性感じない」

 富士吉田市の堀内茂市長は10日の定例会見で、富士山の麓と5合目を結ぶ「富士山登山鉄道構想」について、「必要性を感じていない」と述べた。富士山の環境保全にはマイカー規制の強化などを進めるべきとして、構想の実現に改めて反対の立場を示した。

 堀内市長は10日の会見で、富士山の環境保全にはマイカー規制の強化や、導入が進んでいる電気バスの活用などが有効との考えを示し、「富士山に鉄道を敷くことに必要性を感じていない」と語った。

 県は8日、構想検討会の総会で構想案を決定。富士山有料道路(富士スバルライン)上に次世代型路面電車(LRT)を敷設する構想で、整備費は約1400億円。往復料金を1万円と設定した場合は年間約300万人の利用があると試算している。

 県は地元市町村などに構想を説明し、理解を求める予定。堀内市長は「観光面でのメリットはあるかもしれないが、地元としては富士山をこれ以上傷つけずに守っていく義務があると考えており、反対を伝えていく」と述べた。

 堀内市長は昨年12月の定例会見でも構想について「雲の上で描いた、絵に描いた餅だ」などと否定的な考えを示していた。

(2021年2月11日付 山梨日日新聞掲載)

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