2021.7.03

電車内に自転車OK

富士急行線 誘客へ実験

 富士急行(富士吉田市新西原5丁目)は、自転車を袋に入れずにそのまま電車内に持ち込める「サイクルトレイン」の実証実験を始めた。東京五輪自転車ロードレースのコースとなっている山中湖など富士五湖周辺はサイクリストが増えているといい、新たなサービス展開で誘客を目指す。

 「富士急サイクルトレイン」と題し、26日に実証実験を開始。7月16日まで(9~11日は除く)を対象期間とする。自転車を持って乗降する場合、通常は折り畳んだり、分解したりして袋に入れる必要があるが、そのまま持ち込めるようにした。

 富士急行によると、富士五湖周辺はロケーションの良さなどからサイクリストに人気のエリア。新型コロナウイルス感染拡大で、人混みなど「密」を避ける動きが広がる中、さらに自転車を利用する人が増えているとして、サイクリストや観光客の誘致につなげる狙いがある。沿線住民の利便性向上も目指す。

 対象は普通電車で、大月、都留市、谷村町、都留文科大学前、三つ峠、下吉田、月江寺、富士山、河口湖の9駅から乗降できる。上りは河口湖発が午前8時57分~午後2時20分、下りは大月発が午前9時13分~午後2時17分に利用可能。持ち込める車両は1両に限定する。料金はかからない。

 駅構内や電車内にポスターを掲示し、利用を呼び掛ける。車内では手すりに専用ベルトなどで固定するよう求める。期間中の利用状況や安全面などを考慮して導入を判断する。

 富士急行は「鉄道を利用した移動手段として新たな選択肢を提供し、富士五湖エリアの活性化につなげていきたい」としている。

(2021年7月1日付 山梨日日新聞掲載)

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