2022.3.10

広域避難計画遅れ苦言

富士吉田市長「命を最優先に」

 富士吉田市の堀内茂市長は7日の定例会見で、県などが進めている富士山噴火時の広域避難計画の見直しが来年度に先送りになったことについて、「非常に残念。市民、県民の命を守ることなので、何よりも最優先してほしい」と苦言を呈した。

 見直しは本年度中に行う予定だったが、高齢者や障害者ら単身での避難が困難な「要配慮者」と、観光客の避難に関する検討が間に合わないとして、県が先送りすることを明らかにした。

 これに対し、堀内市長は2017年の実動訓練の結果、車いすや点滴を投与した市立病院の患者が避難のためバス内で着座するまでに、想定の5倍近くかかったことを挙げながら、要配慮者避難の早期検討の必要性を強調。患者や高齢者施設入所者らの市外の受け入れ先確保についても「市町村単位では対応が困難」と指摘した。

 長崎幸太郎知事が火山防災強化推進都道県連盟の連盟幹事を務めていることにも言及し、「県には責任を持って一刻も早く改定作業に取り組んでもらいたい」と求めた。

(2022年3月8日付 山梨日日新聞掲載)

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