染物店が衣服ブランド　

富士吉田 技術生かし染め直しも

　富士吉田市上暮地の染色加工業「丸幸産業」（堀内茂利社長）がアパレルブランド「ＲＯＵＮＤＨＡＰＰＹ」を立ち上げた。半世紀にわたって織物の街で培った染色技術を残し、発信していこうと初めてブランド化。職人による一点ものの商品を売り出し、染め直しも手がけ、長く着てもらう提案もしていく。

　同社は１９７０年に創業し全国のアパレル業者から染色加工を受注。蓄積してきた色のデータは約４千色に上る。染色技術を生かし、形にして残していこうとブランド化に至った。

　中心的な役割を担ったのは、社長の長男で、同社広報の堀内洋平さん（２５）。洋平さんによると、新ブランドは富士山の青や赤富士の赤、芝桜のピンクなど地元にちなんだ６色をメインカラーとし、スエットやＴシャツ、ベストなどの商品を販売していく。洋服の大量廃棄を問題視し、購入商品を黒染めする事業も行い、「二度楽しむ着方」も提唱していく。

　クラウドファンディングサイト「Ｍａｋｕａｋｅ」で先行販売を開始し、市場の動向を見ていく。洋平さんは「富士吉田から生まれたブランドとしてさまざまな人に関わってもらいながら大きくしていきたい」と意欲を語り、全国のセレクトショップでの展開を目指す考えだ。

(2023年3月29日付 山梨日日新聞掲載)