2023.8.15

龍神祭 80年ぶり復活 冨士御室浅間神社世界遺産10年記念

河口湖に木彫りの龍の像を投げ入れ、穏やかな天候を祈願する氏子ら=富士河口湖町勝山

 富士河口湖町勝山の冨士御室浅間神社は11日、かつて行われていた雨乞いの神事「龍神祭」を行った。同神社によると、神事は戦前の頃まで行われていたといい、富士山の世界文化遺産登録10年の節目を機に約80年ぶりに復活させた。

 宮司によると、龍神祭は農作物が干ばつに見舞われた際に行われていた雨乞いの神事だった。かつて大雨を降らしたと伝わる木彫りの龍の像を、若い氏子らが雨乞いのために湖底に沈めたのが始まり。ただ、文献がほとんどなく、いつ始まって途切れたのか定かではないという。
 龍神祭は、世界遺産10年の記念と、河口湖畔にある「日本武尊が身の穢れを清めた」と伝わる「精進場」のPRの意味を込めて、氏子総代や神社の責任役員が神社に持ちかけて復活させたという。近年多発する集中豪雨被害に配慮し、かつてのように雨乞いではなく、穏やかな天候を祈願するようにした。

(2023年8月12日付 山梨日日新聞掲載)

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