2023.9.05

富士周遊 銀輪ルート推進 山梨、静岡県「フジイチ」設定へ

山梨、静岡両県が連携し、富士山を一周する自転車ルートを整備する協議会の初会合=静岡県富士宮市内

 富士山を一周する自転車ルートの整備を目指し、山梨、静岡両県は31日、「ぐるり富士山サイクルツーリズム推進協議会」を設立し、静岡県富士宮市で初会合を開いた。富士山一周ルートの名称を「フジイチ」とすることを決め、今後は両県が連携し、ルートの設定や走行環境の整備を進める。国が認めるナショナルサイクルルートへの指定を目指し、富士山周辺地域の地域活性化を図る。

 富士山を周遊する自転車ルートは、これまで両県がそれぞれ設定した計148キロのルートがある。新たに設立した協議会では、両県の自治体や観光、自転車関係団体、企業などで構成。初会合ではNPO法人日本風景街道コミュニティ(東京)の田中孝治理事を座長に選出した。
 富士山一周ルートの名称は、既に自転車愛好家らの間で「フジイチ」との呼称が浸透していることを踏まえて決めた。今後は両県が連携してルートを再設定し、案内看板の設計、サイクルステーションの調整など走行環境の整備に取り組む。「フジイチ」のロゴマークは一般公募する。
 国は優れた観光資源や自転車の走行環境、休憩施設、情報発信など一定の水準を満たしたルートを認定するナショナルサイクルルート制度を設けており、現在国内の6ルートを指定している。指定を受けると、国によるプロモーションや交付金といった支援が受けられ、協議会は2024年度以降の指定を目指す方針。
 田中座長は、初会合で「富士山は世界文化遺産であり、歴史、文化、自然、資源が豊富にある。世界に誇れる、走りたくなるような道にしていくことが重要だ」と語った。

(2023年9月1日付 山梨日日新聞掲載)

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