2023.9.05

富士の麓 火山防災強化 富士吉田市で徒歩避難や溶岩流学習

溶岩流が到達しない避難所まで歩いて避難する市民=富士吉田市内

 富士吉田市は3日、富士山噴火を想定した総合防災訓練をした。住民が溶岩流が到達しない市内15カ所の避難所に歩いて避難したほか、小中学生が模型を使って溶岩流の流れを確認した。パネルディスカッションでは、火山防災の専門家が火山災害への知識の蓄積と備えの重要性を説くなどして、地域防災力の強化を図った。

 避難訓練は、噴火の兆候があった富士山が噴火し、溶岩流が流れ出したとの想定で実施。住民は最寄りの避難所ではなく、溶岩流が到達しない離れた避難所まで徒歩で避難した。避難所ではテントを設置する訓練や給水訓練を実施したほか、市立看護専門学校の生徒による防災講話もあった。
 市民会館では県富士山科学研究所が立体模型を使い、溶岩流の流れを確認する実験を実施。小中学生らが模型に液体を垂らして、どのように流れるか予測しながら溶岩流について学んだ。火山灰に触れる体験もあった。
 ふじさんホールで開かれたパネルディスカッションでは、県富士山科学研究所の藤井敏嗣所長、吉本充宏研究管理幹、池谷浩客員研究員と、堀内茂富士吉田市長が『富士山噴火を知る』をテーマに意見交換した。噴火の種類によって、避難の時期や方法が異なる点などの解説があった。

(2023年9月4日付 山梨日日新聞掲載)

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