2023.9.19

自動運転バス県内初試行 25年導入めざす

 富士吉田市は11日、自動運転で走行する電気自動車(EV)バスの実証実験を10月21日から市内で始めると発表した。3週間、市内約2キロの区間で乗客を乗せて運行し、新たな公共交通として導入できるか効果を検証する。山梨県内での実証実験は初めてで、市は2025年の本格導入を目指す。

 実証実験は、市と富士急行、富士急バスが中心となって行う。フランス製の自動運転EVバス1台をレンタル導入し、10月21日からの21日間、富士急行線下吉田駅と旧外川家住宅の間の約2・1キロを時速20キロ未満で走行する。
 導入するバスは信号や周囲の通行車両、歩行者などの状況をシステムが識別し、適切に運転するという。遠隔監視しつつ、オペレーター1人が乗車し、状況によって手動運転に切り替える。
 乗客は事前予約制で受け付け、乗車定員は計11人。時間は午前10時から午後4時で、1日12便運行し、乗降場所は12カ所を計画している。乗客に対してアンケートもする予定。
 市は、市街地と登山道を結ぶ「富士みち」を中心としたまちづくりを掲げており、富士みちを行き来する新しい公共交通の提供と交通インフラ整備を目的に、自動運転の公共交通に関する国の実証実験事業に応募。今月4日に採択され、11日に補助金交付が決まった。
 実証実験は全国50カ所以上で行われ、既に公共交通として導入した自治体もある。市によると、県内での実証実験は初めてという。市は、自動運転車両の技術面とともに、社会でどのように受け入れられるかについても検証する。市内での25年の実装を目指している。

(2023年9月12日付 山梨日日新聞掲載)

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