2025.8.15
丸下講(千葉)100周年で石碑 北口本宮冨士浅間神社へ建立 富士講に「明るい話題」

創立100周年を記念した石碑について説明する先達の小川晃さん=富士吉田・北口本宮冨士浅間神社
千葉県船橋市を拠点に活動する富士講「山玉丸下講」は、創立100周年を記念して、富士吉田市の北口本宮冨士浅間神社に、石碑を建立した。講社による神社への石碑建立は約20年ぶり。各地の富士講が後継者不足などで衰退が進む中、関係者らは「富士講全体にとって明るい話題」と喜んでいる。
山玉丸下講は、船橋市の東船橋地区の住民が中心となって活動している。指導者「先達」を務める小川晃さん(77)=同市東船橋7丁目=によると、「拝み」で使う道具に記された年月から、1925(大正14)年に発足とされ、2025年で100周年を迎えた。
40年前に60周年の石碑を建てており、今回が講として2度目の建立となる。石碑は高さ約2・5メートルで、講員25人と、定宿となっている富士吉田市の御師「菊谷坊」、山小屋「蓬莱館」の名が刻まれた。
現在の講員で唯一、40年前と今回の二つの石碑に名が刻まれた小川さんは「かつては船橋市内にも40、50の講社があったが、今では2講だけ。尻すぼみになっている」とさみしがる。一方で、消防団など地域活動のつながりを生かして講員を募ってきた山玉丸下講は、30~40代の比較的若い世代の講員も多いのが特徴。小川さんは「これからも将来にわたって引き継いでほしいとの願いも、石碑にはこもっている」と説明する。
(2025年8月6日付 山梨日日新聞掲載)
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