2025.8.18

富士河口湖で「龍神祭」穏やかな天候祈願

河口湖に木彫りの龍の像を浮かべ、穏やかな天候を祈願する氏子=富士河口湖町勝山

 富士河口湖町勝山の冨士御室浅間神社は11日、かつて雨乞いのために行われていた神事「龍神祭」を行った。富士山の世界文化遺産登録10年の節目となる2023年に約80年ぶりに復活した後は、全国的に集中豪雨が多発している近年の状況を踏まえ、天候の安定を祈願している。
 浜将盛禰宜によると、龍神祭は干ばつに見舞われた際に行われていた雨乞いの神事で、戦前ごろまで行われていた。かつて大雨を降らせたと伝わる木彫りの龍の像を若い氏子が雨乞いのために湖底に沈めたのが始まりとされる。
 神事には神職や氏子総代ら約50人が参加。神社本宮でおはらいをした後、「日本武尊が心身を清めた」と伝わる河口湖畔の「精進場」へ向かい、浜禰宜が祝詞を上げた。神社の宝物蔵に保管されていた木彫りの龍の像をいかだにのせて湖に浮かべ、全国の穏やかな天候を祈願した。

(2025年8月13日付 山梨日日新聞掲載)

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