2025.12.13
機織りの歴史児童に紹介 富士吉田市とNPO法人7小で授業 体験通じ郷土愛醸成へ

ネクタイや座布団に触り、織物の生地の質感を体感する児童ら=富士吉田・下吉田二小
富士吉田市は、市内を拠点に教育支援を手がけるNPO法人「かえる舎」と連携した郷土愛醸成事業の一環として、「郡内織物」と呼ばれ、地域の主要産業となっている機織りの歴史や魅力を小学生に伝える特別授業「ハタオリ学」を始めた。2025年度からの取り組みで、市内全7小学校で実施。事業者を講師に招いて、生地に触れるなどの体験を通じて、児童に地域の歴史を知って古里に誇りを持ってもらうことを目指している。
市ふるさと魅力推進課や同NPOによると、これまで中高生を対象にした地域学習の機会はあったが、小学生向けは少なかった。より低年齢の段階から地域を支えてきた主要産業について体系的に知ってもらおうと授業を企画した。
市内全7小学校の3年生が対象。内容は地域性や状況に応じて学校ごとに異なり、11月から来年1月にかけて、社会や図工、総合的な学習の時間を活用して2~4コマ行う。地元業者を講師に招くなどし、オンラインや直接訪問による工場見学、布生地を使った工作など、座学だけでなく体験を通じて織物の魅力に触れてもらう。
下吉田二小で12月2日に行われた授業では、渡小織物(同市富士見5丁目)の3代目が講師を務めた。縦糸と横糸から成る織物の特徴や、稲作がしづらい環境だったことから織物業が栄えた歴史を説明。授業を受けた3年生59人は、郡内織物のネクタイや傘、座布団に触れ、生地の質感を体感した。
(2025年12月10日付 山梨日日新聞掲載)
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