2025.12.22
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富士山シェルター完工 下山道 県、噴火備えまず2基
山梨県が進めていた、富士山吉田口下山道の避難用シェルター2基の新設工事が18日までに完了した。突発的な噴火による噴石や落雷から登山者を守るため、2025年度から31年度までに全13基のシェルターを整備する計画で、設置は今回が初めて。財源には登山者から徴収した通行料を活用した。
県富士山観光振興グループによると、シェルターは吉田口下山道7合目付近と8合目付近の2カ所に新設した。高さ2メートル、幅2・5メートル、奥行き5・4メートルの鉄筋コンクリート製で、1基につき最大135人が避難できる。出入り口となる1面が開放されていて、緊急時は出入りがしやすいように扉はない。景観に配慮し、下山道の尾根部分の斜面にはめ込んで敷設した。閉山後の9月中旬から工事に着手し、今月15日に完了した。
工事費は1基あたり約3800万円で、財源には昨夏から導入した登山規制の通行料収入を充てる。今夏は通行料を2千円から4千円に引き上げ、吉田口登山道で約5億9138万円(前年同期比98・5%増)を徴収していた。
これまでは下山道の8~6合目で緊急避難できる場所は7合目の緊急避難小屋1カ所と洞門3カ所にとどまっていた。突発的な噴火が起きた場合は噴石から身を守る場所が少なく、緊急避難場所の確保が課題だった。
県は31年度まで年間2基ずつ設置する。
(2025年12月19日付 山梨日日新聞掲載)
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