2025.12.02
富士登山予約に差 山梨46%静岡82% 世界文化遺産学術委 改善求める
有識者でつくる富士山世界文化遺産学術委員会(青柳正規委員長)は28日、東京都内で会合を開いた。今夏、山梨、静岡の両県で行った富士登山者の事前予約について、静岡県側が80%を超えたのに対し、山梨県側が40%台だったことについて、委員から改善を求める意見が上がった。
山梨、静岡両県の担当者が今夏の富士山の状況や取り組みを報告。報告の中で、山梨県側が昨年度に引き続いて導入した通行予約システムの事前予約率は46・0%だった。一方、今夏から新しいシステムを予約した静岡県側は82・2%だった。
発言した委員は、事前予約の仕組みは、「来訪者コントロールの鍵を握る」との認識を示し、両県間の事前予約率の差の大きさを指摘し、見解を尋ねた。
山梨県側の担当者は、事前登録率を上げていくために、登録推奨を強化していく考えを示しつつ、リアルタイムで登山者数を把握し、短文投稿サイト「X(旧ツイッター)」で発信するなど「来訪者管理はできている」とした。
静岡県の担当者は、登山者に対し、「事前予約をしないと現地で富士登山に関するルール、マナーの事前学習の時間を割かれることを強調した」と説明。昨夏に山梨県側が先行して登山規制したことで、「富士山には規制があるとの認識が浸透していた」とも話した。
会合では、作成中の年次報告書についても話し合った。委員会は来年2月にも会合を開く予定。
(2025年11月29日付 山梨日日新聞掲載)
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