2025.11.08
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自然観察ガイド20年の活動に幕 山中湖のNPO解散記録や知識冊子に

山中湖村内で見られる季節ごとの植物を紹介する冊子=山中湖村平野
山中湖村で富士山周辺の自然観察ガイドなどを手がけるNPO法人「富士山自然学校」(阿部素直理事長)が、解散する。20年にわたり村内の自然を地元内外に発信する役割を務めてきた。集大成として、これまでの活動で会員らが撮影してきた村内で見られる草花や樹木の写真を、紹介文とともに収載した冊子を製作。無料で配布しており、阿部理事長は「最後の社会貢献として冊子を作った。村を歩く際の参考になればいい」と話している。
法人は2005年に発足。環境保全団体として、山中湖村内に広がる自然の魅力を発信し続けてきた。地域の自然や文化に触れながら散策する月に1~2回のイベント「山中湖エコウォーク」を主催してきたほか、地元で採取した雑木を使った門松作りや、自然科学教室といった子どもを対象とした自然学習にも精力的に取り組んだ。
だが、現在約30人いるメンバーの多くは70代以上と高齢化が進み、2年ほど前から解散に向け準備。5日に開く総会で解散を決議する。これまでの取り組みで蓄積してきた自然の記録や知識を、形として地域に残したいとの思いから、残余資産の一部を活用して冊子を作ることにしたという。
冊子では、草花や樹木約220種を季節などで分類し、フルカラーの写真付きで紹介。見頃のタイミングや特徴についての説明も付けている。A5判93ページとコンパクトサイズで持ち運びできるようにした。500冊作り、村観光案内所で無料配布している。
(2025年11月5日付 山梨日日新聞掲載)
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