2026.1.20
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火山灰堆積屋根にゆがみ 県と富士山研究所 家屋の耐久性初実験

木造住宅の屋根に約30センチの火山灰を堆積させる作業員=富士河口湖町内
山梨県と県富士山科学研究所などは16日、富士山噴火を想定し、火山灰の堆積による木造家屋の耐久性実験を全国で初めて行った。倒壊の恐れがあるとされる30センチの堆積で建物全体に約20トンの負荷がかかり、屋根の梁に最大で2・7センチのゆがみが確認された。今後は数カ月にわたってゆがみの進行を分析し、住民の避難計画に役立てる。
実験では、富士河口湖町の国土交通省富士砂防事務所敷地に、築50年の木造平屋の教員住宅を移築。住宅の屋根に桜島(鹿児島市)の火山灰を段階的に堆積させた。家屋には荷重やゆがみを調べる計器のほか、きしむ音を感知するセンサーを設置。30センチの堆積で屋根が2・7センチ沈んだことを確認した。今後は火山灰を堆積させたままの状態で5分ごとにデータを集め、降雨や降雪で重みが増した場合の調査をする。
国が2025年3月に示した「首都圏における広域降灰対策ガイドライン」では、降灰量を4ステージに分けて対応を整理。30センチ未満の降灰では自宅での生活を基本とし、30センチ以上の降灰が予想される場合は原則避難を求める。県が23年に策定した富士山火山避難基本計画でも、噴火の初期段階は原則として屋内避難を呼びかけるとしている。
ガイドラインでは、自宅待機や避難を呼びかけるタイミングは降灰量やライフラインの被害状況を基に各自治体が判断する前提となっている。県は今回の実験結果などを踏まえて有識者による委員会を設置し、避難基準を検討する。
(2026年1月17日付 山梨日日新聞掲載)
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