2021.4.12

登山鉄道 県が説明

富士吉田市に理解求める

 富士山の麓と5合目を結ぶ「富士山登山鉄道構想」を巡り、県は9日、富士吉田市に構想案を説明した。県は富士山への環境負荷低減に向けた取り組みであることを強調。住民向け説明会の開催に向けて協力を求め、市側は理解を示した。

 登山鉄道構想は、富士山有料道路(富士スバルライン)上に次世代型路面電車(LRT)を敷設する構想で、整備費は約1400億円。往復料金を1万円と設定した場合は年間約300万人の利用があると試算している。

 2月上旬に開かれた有識者検討会で構想案が決まったことから、県は順次、富士北麓6市町村長に説明している。

 9日は県の藤巻美文知事政策補佐官が富士吉田市役所を訪れ、堀内茂市長に説明した。直接の説明は初めてという。藤巻補佐官は「まずは鉄道という切り口から富士山を良くする方法を考えたい」とした上で、「最初に富士吉田市の住民に説明し、意見交換したい」との考えを示した。

 堀内市長は「鉄道ありきではなく富士山の自然環境を守っていきたいという姿勢が感じられた」と評価し、「市民と一緒に考える問題。市民も含めてしっかりと議論していきたい」と話した。

 県によると、住民説明会の実施時期や方法は未定だが、ほかの5町村からも開催への理解は得られているという。

(2021年4月10日付 山梨日日新聞掲載)

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