2025.6.28

安全な富士登山、動画で 適正利用協 観光公害対策へ

 山梨、静岡両県や環境省の関係者でつくる「富士山における適正利用推進協議会」は、富士山の安全登山やルールの順守を呼びかける動画を作成した。動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信し、登山に必要な装備や注意点などを紹介している。
 協議会によると、3月に取りまとめた富士登山のオーバーツーリズム(観光公害)対策の一環として動画を作成。「富士登山安全ガイド」のタイトルで、10分版、4分版、1分版の3種類を作り、それぞれ日本語音声に英語字幕、英語音声に中国語やベトナム語字幕を付けたバージョンを用意した。
 10分版では、登山道ごとの難易度や特徴のほか、登山に必要な装備などを紹介。「無理な追い越しをしない」「登山道を外れない」「ごみは持ち帰る」など登山中のマナーも解説している。4分版、1分版ではそれぞれ重要なポイントを要約した。
 協議会は今夏の登山規制を周知するポスターも制作。吉田口の通行料を昨夏の2千円から4千円に引き上げ、5合目に設けたゲートの閉鎖時間を2時間前倒して午後2時~翌日午前3時は通行を規制することを説明している。ポスターは東京都内のバス乗り場や両県内のスポーツ用品店などに掲示する。
 富士登山を巡っては、国内外から多くの観光客が訪れる中、弾丸登山や軽装登山、マナー違反などが課題となっている。

(2025年6月27日付 山梨日日新聞掲載)

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