2021.2.26

霊峰、連携して後世に

富士山の日 山梨、静岡産業面でも協力

富士山の世界文化遺産としての価値を守っていくことを確認した「富士山の日フェスタ2021」=静岡県御殿場市

富士山の世界文化遺産としての価値を守っていくことを確認した「富士山の日フェスタ2021」=静岡県御殿場市

 「富士山の日」の23日、静岡県御殿場市で山梨、静岡両県による「富士山の日フェスタ2021」が開かれた。昨年は新型コロナウイルス感染拡大で中止しており、2年ぶりの開催。長崎幸太郎知事は両県を結ぶ道路網の整備を踏まえ、先端医療機器産業などで両県の連携を強固にする考えを示した。世界文化遺産・富士山について理解を深め、後世へ引き継いでいくため両県で協力することを確認した。

 長崎知事はあいさつで、中部横断自動車道や須走道路・御殿場バイパスの開通を控える現状に触れ、「両県のつながりがますます強固になる」と語った。静岡県が富士山麓に先端医療機器産業の集積を進める「ファルマバレープロジェクト」と、山梨県が医療機器関連分野への進出・集積を進める「メディカル・デバイス・コリドー構想」に言及し、「静岡と連結する形で、山梨でも医療機器の産業振興に注力したい」と話した。

 静岡県の川勝平太知事はあいさつで、山梨、静岡両県が特産品を購入し合う「バイ・ふじのくに」の取り組みに触れ、「新しい『ポスト東京』時代を富士の国から切り開いていきたい」と語った。

 医師で山岳医療救助機構代表の大城和恵さんが講演し、山小屋運営の現状や感染防止対策の難しさに触れ、コロナ後の新しい富士登山の在り方について提言。慶応大名誉教授で日本山岳修験学会会長の鈴木正崇さんは、富士講など日本の山岳信仰の歴史をひもといた。

 山梨、静岡両県の首長や県議、山岳関係者ら約120人が参加した。

 フェスタは山梨、静岡の両県で年に1回、持ち回りで開催。静岡交響楽団による演奏も披露された。

(2021年2月24日付 山梨日日新聞掲載)

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