2021.5.24

西国の富士信仰解説

県立富士山遺産センター 連続講座始まる

三重県の富士山信仰について紹介する堀内真さん=富士河口湖・県立富士山世界遺産センター

三重県の富士山信仰について紹介する堀内真さん=富士河口湖・県立富士山世界遺産センター

 富士河口湖・県立富士山世界遺産センターは15日、富士山の歴史や文化について学ぶ「世界遺産富士山講座」の本年度1回目の講座をセンターで開いた。

 「西国の富士信仰」をテーマに、センター調査研究スタッフの堀内真さんが来場した約20人に講演。三重県の富士山信仰を例に、江戸時代以前から初期にかけて主に伊勢市など三重県南西部から富士山に登る人が多かったという記録を文献から説明した。

 伊勢市周辺では当時の富士登山の景色などを歌詞にした「登拝道中唄」や、信仰を表現する踊り、12年に1度富士山に登る風習が残されていることも紹介。「伊勢湾あたりでも富士信仰が盛んだったことが分かる」と話した。

 講座は富士山への理解を深めてもらおうと毎年開いている。次回は6月19日に調査研究スタッフの金子誠司さんが、「信州諏訪の富士講」の演題で講演する。

 参加希望者は公式ホームページや電話で事前予約が必要。問い合わせは県立富士山世界遺産センター、電話0555(72)2314。

(2021年5月22日付 山梨日日新聞掲載)

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