2023.9.21

富士入山料 協力率75% 過去最高 記念品が奏功

 富士山の吉田口登山道で今夏、富士山保全協力金(入山料)を支払った人の割合(協力率)は前年比2・8ポイント増の75・6%で、過去最高だったことが19日、県のまとめで分かった。徴収総額は1億367万2726円で、2番目に多かった。県は制度の定着に加え、協力者向けに世界文化遺産登録10周年記念の木札を用意したことなどが要因とみている。

 県世界遺産富士山課によると、協力金は7月1日~9月10日の開山期間に、5合目と6合目で徴収。協力率は環境省が調べた吉田口登山道の登山者数を基に算出していて、登山者13万7236人のうち、支払いに協力したのは10万3809人。協力者数も過去2番目の多さだった。
 今夏の徴収総額のうち、現地受け付け分が大半を占め、前年より3513万9404円(53・0%)多い1億141万7726円だった。このほか、インターネットやコンビニエンスストアの利用が計27万円、同課での受け付けが198万5千円。
 県などは今夏、徴収時に協力者に手渡す木札を遺産登録10周年の記念デザインにしたほか、木札の裏面に押せる記念スタンプも用意した。同課の担当者は「制度の定着も協力率アップの要因。引き続き多くの人に協力してもらえるように努める」と話した。
 入山料は下山道整備やトイレ、救護所の維持管理などの財源とするため、登山者に任意で原則千円を支払ってもらう仕組み。千円未満も受け付けている。

(2023年9月20日付 山梨日日新聞掲載)

広告
月別
年別