2025.5.20

富士吉田市とサロモン 吉田口登山道再興へ 「中ノ茶屋」一新 観光拠点に

リニューアルに伴い、サロモンが提供するトレッキングシューズなどのレンタルスペースが設けられた中ノ茶屋=富士吉田市上吉田

リニューアルオープンでテープカットする堀内茂市長(左から3人目)ら=富士吉田市上吉田

■靴貸し出し、シャワーも

 富士吉田市とアウトドア用品ブランド「サロモン」を展開するアメアスポーツジャパン(東京都新宿区、ショーン・ヒリアー社長)は、富士山の吉田口登山道を中心にした地域活性化に取り組む。16日には第1弾として、同社が内観のリノベーションを手がけた「中ノ茶屋」(同市上吉田)をリニューアルオープン。信仰文化を基盤に、新たな富士山の楽しみ方の提供を目指す。

 取り組みでは、富士山の自然や富士講に代表される信仰文化に、同社が持つマウンテンスポーツ関連事業のノウハウを組み合わせて富士登山の付加価値創出を狙う。市の大きな課題となっていた、麓からの吉田口登山道の再興を目標に据える。
 市と同社が3月に結んだ包括連携協定に基づくプロジェクトで、下吉田エリアからの「富士みち」の活性化と情報発信を行い、地元事業者を巻き込んだ事業を展開していく。環境保全活動や富士山8合目救護所運営の支援も行う。
 改装された中ノ茶屋は1707(宝永4)年に創建され、江戸期に栄えた富士講登山を支えた。内装を一新したほか、周辺の散策などを楽しんでもらうため、同社が提供するトレッキングシューズなどのレンタルスペースを設け、登山者らの汗を流すシャワーも2基整備した。
 同日は中ノ茶屋で報道向けの事業発表会が開かれた。
 市は2017年にも、アウトドア用品のモンベルと環境保全推進などを目的に包括連携協定を結んでいる。

(2025年5月17日付 山梨日日新聞掲載)

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