2025.5.20

富士登山、指導員予定者が研修 野外救護 対処法学ぶ 

傷病状況に応じた救助の仕方を実践的に学ぶ参加者ら=富士吉田市立青少年センター

 県は17日、富士吉田市立青少年センターで、富士登山における安全対策を担う適正化指導員の委嘱予定者を対象に、野外での応急救護の方法を学ぶ研修会を開いた。昨年度の指導員からの声を受け、指導員全体の質向上を目指して初めて開催。参加者は、救助対象者の傷病状態に応じた対処の仕方を学んだ。

 適正化指導員は、県が委嘱し、5合目ゲートや登下山道で巡視や監視、危険行為に対し、指導する。安全に登山できる環境を確保するため、県条例に基づき昨年度、設置された。
 県富士山観光振興グループによると、昨夏委嘱した指導員から「救命救急の技術を底上げすべきだ」との意見があり、実技を含む研修を初めて実施。17日は、今夏の委嘱予定者となる登山ガイドなど31人が参加した。
 野外救急法の講習事業を手がける法人のスタッフが講師を務め、傷病者の状態を評価する手順を解説。出血がひどい場合には、切れた血管の穴を直接ふさぐため、ガーゼを傷口に詰め込むといった対応を説明。参加者らは、大きな出血、脈拍、意識の有無など、状況に応じた処置方法を人形などを使って確認した。
 県は、19日までの3日間、同内容の研修を行い、各日30人程度が受講する予定。

(2025年5月18日付 山梨日日新聞掲載)

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