2023.1.18

筒粥で豊凶占う 富士吉田

ヨシの中に入ったかゆの量を確認する占人=富士吉田・小室浅間神社

ヨシの中に入ったかゆの量を確認する占人=富士吉田・小室浅間神社

 富士吉田市下吉田3丁目の小室浅間神社で14日夜から15日未明にかけて、農作物の豊凶などを占う「筒粥神事」が行われた。農作物は「全体的に不作」、富士山の登山者数の「道者」は「少ない」との結果が出た。

 筒粥神事は神社で800年以上続くという小正月の伝統行事。14日午後9時すぎに本殿で神事を執り行った後、神事をつかさどる占人らが境内の「筒粥殿」に入った。

 占人がまきに火をつけ、大釜の水が沸くとコメとアワを投入。長さ15センチほどのヨシ24本を付けた「粥柱」を入れて煮た。炊き上がった後、15日午前1時前からヨシに入ったかゆの量で小麦や稲などの農作物18種類の豊凶や富士山を参詣登山する「道者」の人数を占った。

 占人は引き上げたヨシを順番に割り、中に入ったかゆの量を確認。「道者」は「4分」で「少ない」、道者のうち、相州(現神奈川県)から来る人は「8分」で「多い」などとなった。農作物は「全体的に不作」だが、稲や小豆などが「8分」で「豊作」となった。占いは午前2時ごろまで行われた。

 渡辺平一郎宮司は「無事に神事を終えることができた。後継者を育成しながら神事を続けていきたい」と話していた。

(2023年1月16日付 山梨日日新聞掲載)

広告
月別
年別